私がデザインする上で日頃から大切にしているのが「人と人とをつなぐデザイン」です。 それはミラノサローネ国際家具見本市の若手デザイナー登竜門「SaloneSatellite」へ出品した際、デザインが磁石の様に、人と人とを引き寄せコミュニケーションが深まる光景を目の当たりにしたことが原体験となっていて、今もデザイナーとしての礎となっています。モノには、見て触れた人たちの感性や情緒に響き、コミュニケーションを誘発する様な「人と人とをつなぐ力」があると信じています。モノ作りを進める上で最も重要なのは、作り手が「ユーザーを起点として」商品を開発することだと考えています。この商品がどの様なポジティブな価値を提供し豊かな生活を彩ることができるかどうか?BELOSには日常を彩る道具が出番を待っている。「頼りになる道具たち」を連れ出し人と人とがつながる。扉を開ける瞬間からワクワクが広がる発信基地になってくれたらと思っています。BELOSの外観は直線的でできるだけフラット。“物置は見せる家具である”との想いから総力でつくりました。凛と佇みつつ、じっくりと時間をかけて住宅や街並みに馴染み、あたりまえの風景として人々の日常に溶け込んでいってくれたら嬉しいです。プロダクトデザイナー。1964年山梨県生まれ。甲府の家具メーカー企画室勤務当時、静岡市の家具産業とデザイナーとの協業に憧れ移住。工業デザイン事務所勤務を経て独立、1993年に創造意匠を設立。 2004年~SOON JAPAN DESIGN PROJECTプロデューサー。(公財)静岡産業振興協会「ニューウェーブ〈しずおか〉創造事業/つなぐデザイン」、京都商工会議所「project kyo-to」、京都市・新たな伝統的工芸品開発事業「京と今の和」等プロデュース。墨田区すみだブランド戦略コラボレーター等を歴任。2023年より静岡県「静岡の家具」振興方針検討委員。SACHIO HIHARA / 日原 佐知夫3“物置とは、見せる家具である”
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